当社は、サステナビリティ方針およびESGポリシーに基づき、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の各領域で取組みを推進しています。運用物件の環境性能向上、ステークホルダーとの協働、誠実かつ公正な事業運営を相互に関連するものとして捉え、持続可能な不動産投資・運用の実現を目指します。
本ページでは、E領域、S領域、G領域の取組みを紹介します。
環境への取組み
Ⅰ.気候変動対応への対応(TCFD提言に基づく開示)
地球温暖化とその影響による気候変動については、これまでも環境問題に係る重要な要素として世界的に広く議論がなされてきています。2015年にパリで開催されたCOP21では、世界の平均気温の上昇を産業革命以前と比較して2℃より十分に低く保ちつつ、1.5℃に抑える努力を追求するという「パリ協定」が採択されました。また、2021年のCOP26では、「グラスゴー気候合意」において、世界の平均気温の上昇を1.5℃に抑える努力を追求することが確認されました。
このような気候変動とその取組みは、当社および当社が運用する私募REIT並びに私募ファンドの事業活動や運用物件にとって重要な課題であると認識しています。当社は、TCFD提言に基づき、気候変動関連リスクおよび機会に関する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」についての分析や対策の情報開示の拡充に取り組みます。こうした取組みを通じてステークホルダーの皆さまとの対話を促進し、気候変動リスクの低減や機会の活用に努め、「安心と信頼に満ちた社会」の実現を目指します。
ガバナンス
ガバナンス体制の詳細については、サステナビリティ方針・推進体制をご参照ください。
戦略
当社は、気候変動がもたらすリスク・機会について、当社に業務を委託する投資法人および私募ファンドの運用資産を対象とした複数のシナリオに基づくシナリオ分析を実施し、気候変動に関する当社の戦略のレジリエンスを確認しています。
当社では、マテリアリティに「気候変動への対応」を掲げ、温室効果ガス排出量の削減や省エネルギー等の取組みに努めています。分析の結果、こうした取組みが、当社の財務に影響をもたらすリスクの低減や機会の活用に有効であることを再確認しています。
気候変動リスク分析プロセス
- STEP1 リスク・機会の洗い出し
- 1.5℃シナリオ・4℃シナリオを策定し、
気候変動リスク・機会を抽出
- STEP2 リスク・機会の評価
- 各種パラメータをもとに、
財務への影響度を定性的・定量的に評価
- STEP3 報告
- 評価結果をサステナビリティ委員会へ報告。
必要に応じて定期的に見直し
シナリオ設定
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| 項目 | 1.5℃シナリオ(脱炭素シナリオ) | 4.0℃シナリオ(気候変動進行シナリオ) |
|---|---|---|
| 世界観 |
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| 想定される変化 |
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| 不動産セクターへの影響 |
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| 主な参照シナリオ |
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シナリオ分析に基づく気候変動リスク・機会の評価結果
洗い出したリスク・機会について、1.5℃および4℃シナリオにおける各種パラメータをもとに、当社の財務への影響度を評価しています。本検証は、IEAやIPCC等の公表シナリオ等を参考にしながら、当社運用資産の状況等を踏まえて定性・定量的に検証したものであり、今後、リスク環境の変化等を踏まえ、必要に応じて見直しを行います。
- 影響度
- 大5億円超
- 中1〜5億円超
- 小1億円未満
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| 分類 | 項目 | 内容 | 4.0℃ シナリオ |
1.5℃ シナリオ |
リスク軽減のための 対応策・取り組み |
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|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2035 | 2050 | 2035 | 2050 | ||||
| 政策・ 規制 |
炭素税導入による操業コスト増大 | 炭素税等の規制強化により、エネルギー関連の操業コストが増加 | 小 | 小 | 大 | 大 | 温室効果ガス排出量の削減、省エネルギーの取組 |
| 政策・ 規制 |
環境規制強化による負担の増大 | 温室効果ガス排出量等の報告義務が厳格化し、対応の負担が増大 | 小 | 小 | 小 | 小 | 温室効果ガス排出量集計の仕組みの導入 |
| 政策・ 規制 |
ZEB等の環境規制への対応コストの増加 | エネルギー効率向上に向けた改修のコストが増加 | 小 | 小 | 小 | 中 | 環境に配慮した不動産投資の推進 |
| 技術 | 省エネ技術・再エネ普及によるエネルギーコスト減少 | 省エネ技術・再エネ普及により、エネルギーコストが減少 | 小 | 小 | 小 | 中 | 省エネ技術や再エネの活用 |
| 評判 | 投資家からの評価低下による資金調達コストの増加 | ESG評価低下により、資金調達が困難となり、資金調達コストが増加 | 小 | 小 | 小 | 小 | サステナビリティ情報開示の充実化 |
| 市場 | 環境性能が低い物件の競争力低下 | 環境性能が低い物件への需要が低下し、賃料収入が減少 | 小 | 小 | 大 | 大 | 環境性能が高い物件の取得、既存物件の環境認証取得率の向上 |
| 急性 | 自然災害の激甚化による保有資産の損壊と営業機会の喪失 | 洪水等の自然災害の激甚化により、修繕費が増加し、事業中断により賃料収入が減少 | 小 | 中 | 小 | 小 | 自然災害リスクの評価と事前対策 |
| 慢性 | 平均気温上昇による冷房コストの増加 | 平均気温上昇により、夏場の冷房コストが増加 | 小 | 小 | 小 | 小 | 断熱性能の高い物件の取得 |
リスク管理
当社では、TCFD提言に基づき、気候変動が当社および当社が運用する私募REIT並びに私募ファンドに及ぼす影響に伴ったリスクと機会を特定し、シナリオ分析による定性的・定量的評価を実施しています。特に重要な気候関連リスク・機会については、サステナビリティに関する委員会にて対策案を審議のうえ、実施します。
気候関連リスクを含むサステナビリティに関連したリスク全般について対策を議論し、その対策の効果をモニタリングしています。また、当社のリスク管理に関する業務全般を企画管理部が統括し、気候変動リスクを含む事業活動全般に関するリスクを統合的に管理しています。
指標・目標
当社では、気候変動への対応に関する以下の目標(KPI)を設定し、モニタリングを定期的に実施しています。
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| 項目 | 目標・内容 |
|---|---|
| GHG排出量削減 | 2035年度までにGHG排出量63%削減を目指します。2050年度までにGHG排出ネットゼロを目指します。 削減の対象範囲は、当社および当社保有物件におけるScope1,2とします。2023年度対比の削減率としています。 |
| 再生可能エネルギー導入 | 2035年度までに保有物件の再生可能エネルギー導入率50%以上を目指します。 |
Ⅱ.グリーンローン原則等に基づくフレームワーク
当社は、
- 英国のローンマーケット協会及びアジア太平洋地域ローンマーケット協会が共同策定した「グリーンローン原則」
- 国際資本市場協会が策定した「グリーンボンド原則」
- 環境省が策定した「グリーンローンガイドライン」及び「グリーンボンドガイドライン」
の枠組みに則り、以下のフレームワークを制定します。
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| (1) 調達資金の使途 | |
|---|---|
| グリーンファイナンスの投資対象となる適格クライテリア |
当社が運用を受託する私募リート及び私募ファンドが調達するグリーンファイナンスで調達した資金又はグリーンファイナンスにて取得した物件の売却代金は、以下の適格クライテリアを満たすグリーンビルディングの取得資金、又は同資金のリファイナンスに充当する予定です。 <適格クライテリア> グリーンビルディング:下記①-⑧の第三者認証機関の認証のいずれかを取得済又は今後取得予定の物件
①.DBJ Green Building認証:3つ星以上
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| 長期ビジョンにたった グリーン投資方針 |
当社は、持続可能な未来を目指し、環境に配慮した不動産投資を推進することを重要な使命とし、長期的な視点でグリーン投資を行います。 |
| 資金の調達方法と投資先 |
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| (2)プロジェクトの選定基準とプロセス | |
|---|---|
| プロジェクトの選定プロセス | ①.プロジェクト選定関与者:調達資金の使途となるプロジェクトは、私募リートについては投資戦略部及びリート事業部が、私募ファンドについては投資戦略部及びファンド事業部が、それぞれ選定を行います。 ②.適格クライテリアへの適合の検討:適格クライテリアへの適合の確認は、私募リートについては財務経理部が、私募ファンドについてはファンド事業部が、それぞれ実施します。 ③.プロジェクト選定プロセス:対象となるプロジェクトを資金使途としてグリーンファイナンスによる資金調達を行うことについて、私募リートについては財務経理部が起案者となり、投資委員会及び私募リートの役員会の承認を得ること、私募ファンドについてはファンド事業部が起案者となり、投資委員会の承認を得ることにより、それぞれ決定します。なお、グリーンファイナンスによる資金調達を行うことが決定した場合には、起案者がサステナビリティ委員会において報告を行います。 |
| グリーンプロジェクトが環境に与えるネガティブな影響とその対処方法 | ①.想定されるリスク:物件の瑕疵、周辺住民とのトラブル、等 ②.リスク緩和対応:取得時の法令遵守等をはじめとするデューデリジェンスの実施、物件実査の実施、等 |
| 適格プロジェクトの選定基準及びプロセスの開示方法 | プロジェクトの選定基準及び選定プロセスに関しては、当社又は私募リートのウェブサイト、プレスリリース、発行登録追補書類、JCRのグリーンファイナンス・フレームワーク評価レポート等、私募リート、私募ファンドごとに適当な方法により開示する予定です。 |
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| (3)資金管理の方法 | |
|---|---|
| 調達資金の充当計画 | グリーンファイナンスで調達した資金は、調達後速やかに、適格クライテリアを満たす物件の取得資金又は当該資金のリファイナンスに充当する予定です。 |
| 調達資金の追跡管理の方法 | グリーンファイナンスで調達した資金については、私募リート及び私募ファンドのグリーンファイナンス管理のためのエクセルシート(以下「グリーンファイナンス管理表」という。)にて管理するものとし、調達方法、調達日・金額・支払先・支払日等の情報を明記するものとします。なお、私募リートについては財務経理部が、私募ファンドについてはファンド事業部がそれぞれグリーンファイナンスの管理を行うものとし、各所属長を統括責任者とします。また、グリーンファイナンスで調達した資金を用いて取得した物件を売却した場合の売却代金についても、グリーンファイナンス管理表にて管理するものとし、その売却代金の入金日・金額・返済先・返済日(又は「グリーンファイナンスの投資対象となる適格クライテリア」の使途への充当に関する情報)等を明記するものとします。 |
| 追跡管理に関する内部統制及び外部監査 | コンプライアンス部が所管する各部の自主点検において、財務経理部による上記管理が実施されているかどうかの点検を行います。また、当該自主点検の内容について、内部監査部において内部監査を実施します。外部監査については、私募リートは法定監査、私募ファンドは作成される計算書類の投資家への提出で実施することとみなします。 |
| 未充当資金の管理方法 | 調達資金の充当が決定されるまでの間は、調達資金は現金または現金同等物にて管理します。全額充当後においても、グリーンローンが返済されるまでに資金使途の対象となる資産が売却または毀損などにより資金使途の対象から外れる場合、一時的に発生する未充当資金はポートフォリオ管理にて管理します。ただし、グリーンエクイティで調達した資金については、ポートフォリオ管理の対象外とし、未充当資金が発生したときは、再充当の対象となる他の物件が明らかになっている場合を除き、グリーンエクイティのラベルを外すこととします。 ※ポートフォリオ管理:適格グリーンプロジェクトの規模(適格クライテリア(1)を満たす保有物件の取得価格の総額及び適格クライテリア(2)を満たす工事・改修案件の総支出額の合計額)に、直近の決算期末時点の総資産LTVを乗じて算出した額を「グリーン適格負債上限額」として、グリーンローンの残高が、グリーン適格負債上限額を超えないことを確認します。 |
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| (4)レポーティング | |
|---|---|
| 資金の充当状況に関する開示状況 | 以下の項目を私募リート及び私募ファンド毎に当社ウェブサイト上にて年次で開示する予定です。ただし、グリーンエクイティについては、存続する期間に限り開示することとします。なお、私募ファンドの名称は実務上可能な範囲で開示するものとし、調達者(借入人・被出資者等)の名称が非開示であることに起因して調達先(貸付人・出資者等)が自らの貸付及び出資等にかかる資金の充当状況の判別が困難な場合などにおいては、調達先の要請に応じて別途調達先宛に報告する予定です。
|
| インパクト・レポーティングの開示方法及び開示頻度 | 当社ウェブサイト上にて年次で開示する予定です。ただし、グリーンエクイティについては、存続する期間に限り開示することとします。なお、調達者の名称は実務上可能範囲で開示するものとし、調達者の名称が非開示であることに起因して調達先が自らの貸付及び出資等にかかるインパクト・レポーティングの判別が困難な場合などにおいては、調達先の要請に応じて別途調達先宛に報告する予定です。 |
| インパクト・レポーティングにおけるKPI(Key Performance Indicator) |
以下の項目を調達者別に開示する予定です。
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資金充当状況レポーティング
グリーンエクイティ
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| ファンド名称 | 調達時期 | 調達額 | 資金充当額 | 未充当額 | 充当予定時期 |
|---|---|---|---|---|---|
| ヒューリックプライベートリート投資法人 | 2026年6月2日 | 5,072百万円 | 5,072百万円 | - | - |
グリーンローン
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| ファンド名称 | 調達時期 | 調達額 | 資金充当額 | 未充当額 | 充当予定時期 | リファイナンス |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ヒューリックプライベートリート投資法人 | 2024年12月3日 | 6,100百万円 | 6,100百万円 | - | - | - |
| ヒューリックプライベートリート投資法人 | 2025年6月3日 | 2,560百万円 | 2,560百万円 | - | - | - |
| ヒューリックプライベートリート投資法人 | 2026年6月2日 | 3,250百万円 | 3,250百万円 | - | - | - |
インパクト・レポーティング
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| ファンド名称 | 対象物件取得時期 | 対象物件取得価格 | 認証/取得時期 |
|---|---|---|---|
| ヒューリックプライベートリート投資法人 | 2024年12月3日 | 14,270百万円 | CASBEE新築:A/2022年5月 CASBEE不動産:S/2022年6月 |
| ヒューリックプライベートリート投資法人 | 2025年6月3日 | 9,433百万円 | CASBEE新築:A/2022年5月 CASBEE不動産:S/2022年6月 |
| ヒューリックプライベートリート投資法人 | 2026年6月2日 | 9,989百万円 | CASBEE不動産:S/2023年11月 |
外部評価
当社は、グリーンファイナンス・フレームワークに対する第三者評価として株式会社日本格付研究所(以下「JCR」といいます。)より、「Green1(F)」の評価を取得しています。詳細は、以下のJCRのホームページをご参照ください。
https://www.jcr.co.jp/greenfinance/green/
社会への取組み
当社は、投資家、テナント・利用者、PM会社・BM会社、サプライヤー、地域コミュニティ等との対話と協働を重視しています。関係者との連携を通じて、運用物件の安全・安心、快適性、環境データの取得・改善、地域との共生に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

ステークホルダーとの協働
ステークホルダーとの協働は、環境配慮型の物件運営を実効性あるものとするうえで重要です。投資家、テナント、PM会社・BM会社、サプライヤー、地域コミュニティ等との対話を通じて、課題の共有と改善に取り組みます。また、サステナビリティ方針、目標・KPI、外部評価、環境データ等については、投資家をはじめとする関係者に対して、分かりやすく適切な情報開示を行うよう努めます。
テナント、PM会社・BM会社、サプライヤー、地域コミュニティとの連携
テナント・利用者に対しては、快適性・安全性の向上、環境データの共有等を通じて、より良い物件運営を目指します。PM会社・BM会社とは、環境データの取得、設備運用改善、点検・報告等において連携し、現場の実態を踏まえた改善を進めます。
サプライヤーに対しては、サステナブル調達ポリシーの共有等を通じて、環境、人権、労働、安全衛生等への配慮を求めます。また、地域コミュニティとの関係においては、地域との共生、安全・安心、周辺環境への配慮を重視します。
安全・安心、快適性、地域との共生
当社は、運用物件における安全・安心の確保、快適性の向上、防災・BCPへの配慮を重視しています。テナント・利用者が安心して利用できる物件運営を通じて、社会的価値の向上を目指します。また、物件の立地や地域特性を踏まえ、地域コミュニティとの共生や周辺環境への配慮にも取り組みます。
ガバナンスへの取組み
ガバナンス体制の詳細については、当社ガバナンス体制・サステナビリティ方針・推進体制をご参照ください。